2000年から2003年にかけて、私、久門が玄光社の写真雑誌『コマーシャルフォト』で連載していた「産直エキスプレス」の記事を再録していきます。この連載は、写真業界の中小企業を取材させていただき、その製品や仕事を紹介した記事で43社分あります。連載の初回は2000年4月号。この取材は同年2月にタチハラ写真機製作所に伺いました。奇しくもその翌月、NHKの「プロジェクトX」がスタートしたのです。ですからこの連載は個人的には「写真業界のちいさなプロジェクトX」のような気分でした。

2000年といえば、カメラが銀塩からデジタルへと大きく切り替わる端境期の始まり、コンパクトデジカメの黎明期にあたります。私を含め、銀塩カメラやフィルムの愛好者はまだまだ多く、これらの仕事もフィルムで撮影していました。ちなみに、初代iPhoneの発売は2007年です。時代は大きく変わりました。43社の中にはまだまだ元気な会社もありますが、なくなってしまった会社も少なからずあります。今、写真を整理しながら、これらの記事を見返すと、抗いようのない大きな時代の変化に翻弄され、苦しみ、足掻きながらも、売れるもの、面白いものを追求していこうとする人々のたくましさや熱気のようなものを感じることができます。

正直、この20年足らずで写真業界がここまで変わるとは思っていませんでした。デジタル化、インターネット、スマホ、SNSの登場・・。確かに便利になったし、より多くの人が写真を手軽に楽しめるようになりました。しかしふと立ち止まって、それで私たち一人一人がどのくらい幸せになったのだろう? と考えると、なんともいえない暗澹たる気分に落ち込むことも確かなのです。

それでも私たちは今を起点にこれからを生きていくしかありません。だからこそここに、20年前から今を見つめ直す視線が加われば、もう少し違った未来が見えてくるかもしれない。いや、そうあってほしい。本再録が、このようなお役に立つことができたら、望外の幸せというものです。

久門 易

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