承前。
「涿州市殯管所」です。
火葬施設だけでなく、式場や納骨堂、墓地もあります。
現代の中国(北京周辺のデータかもしれまんせん)では、火葬率60%だそうです。まだまだ土葬が残っています。
単純にいえば、土葬ではお墓が大きくなるため、特に都市部での土地不足を回避するために火葬が推奨されだした、とのこと。もちろん、衛生面とかいろいろ口実はあるのでしょうが。
ただ、ここに見るよう、田舎の火葬炉は老朽化が著しいです。
※火葬炉は、一般的なボイラーと違って燃焼→冷却 を短時間で繰り返すため、耐久性を持たせるのが難しい設備だということです。最近の日本製は相当優秀だそうですよ。
では、中に入ってみましょう。
「涿州市殯管所」。煙突はかなり低めかも。
入り口。
追悼式場。中央のプラスチックケースの中にご遺体を安置します。壁はディスプレイになっていて、左下の四角い部分に故人の写真が表示されるそうです。こちらが大ホール。
近寄ってみました。棺桶にはいっているわけではないので、全身を「見る」ことができます。
こちらは少し小さめのホール。
「禁止向工作人員送銭送物」とあります。スタッフに金銭などを渡すな! と。袖の下を渡して自分たちだけは少しでもよくしてもらおう、というのは人情ですけれどね。
比較的新しい火葬炉。「壽」がよいですねぇ。でも壊れているとか・・・。右手奥に古い炉があります。
こちらは古い炉。2つあります。
ご遺体がごろごろローラーに転がされて送り込まれるわけです。操作ボタンが生々しいですなぁ。
裏側です。こちらには、遺族たちは入れません。
蓋を開けると炉の中になります。遺骨を集めて、下にある箱を上に置いて落し込みます。、
炉の中。細かいお骨が結構残っています。まあ、細かいことは気にしないのでしょう。
燃料は重油だそうです。
ご遺体を保存しておく、冷蔵庫。
花輪。日本のに似ているようで似ていません。
火葬炉の銘板。ヨーロッパ製とのことですが、かなり古いそうです。
スタッフの部屋。
ここから屋外にでます。
「革命」の大きな看板があります。
「革命烈士記念碑」
前回・前々回に見学したのよりも、古い墓地です。夫婦墓であることなどは共通しています。
お墓の裏側に書かれた言葉。「永遠怀念」・・・常に覚えています。
百回読んでも目覚めない父母、育ててくださった恩は千年も忘れません・・(多分)。
お墓にお骨を入れるまで、仮安置しておく納骨堂。このまま放置されることもあるとか。
火葬の設備についてはただ「古い」というに尽きるでしょう。
かつての日本も、こんな感じだったのではないかと思います。
ただ、ご遺体をくまなく「見て」送ることは、その「精神的な距離感」の近さにも通じるかもしれないと思いました。
次回は、田舎風の会食。