スキャナやカメラを使わず、スマホのカメラアプリで写真プリントをデータ化できたら、それはそれで便利だし、実家に帰った時にアルバムの写真をいくつか撮影して、それを人に見せたりするのにも使えます。

どうすればよいか、というとそれは簡単で、写真(プリント)をスマホのカメラアプリで撮影すればいいのです。が・・・上手く撮れない、という方が少なくないようです。

写真やスマホを斜めに構えると、斜めで菱形(台形)に写ります。
わりあいに難しいな、と思うのは、写真が斜めになったり、菱形(台形)のように写ることです。これは、スマホと写真を「平行」にして、スマホのレンズの向きが写真の中心を貫くような位置で撮影すれば解決します。しかし、スマホのレンズは本体の隅の方に配置されていますから、直感的にスマホの中心を写真の中心に合わせようとすると、やっぱり台形に写ってしまいます。意外に難しい。
こうした変形を修正するアプリもありますが、一枚一枚やっていくのは結構たいへんです。撮影時に注意しておくのが一番です。


運次第で、光の反射や自分自身の影が写ります。
スマホのレンズが写真プリントの真上になるように撮影すると、四角が四角に写ります。しかし運が悪いと、写真の表面に光の反射が写ったり、スマホや自分の影が落ちる、こともよく経験します。光の反射は、スマホのフラッシュ機能がonになっていると盛大にでますから、基本的にoffに。それと天井の照明などが反射するケースも多いです。撮影しているスマホの上に天井照明があれば、自分自身の影が写真プリントの上に落ちることになります。


写真プリントを斜めに立てかけて、反射や影がでない場所で撮影。
よくよくスマホの画面を見ながら撮影すると、光の反射も影も見えています。ですから、太陽光や光源の光が斜めに差し込むような位置で撮影したり、写真を斜めに立てかけたりすれば解決します。


反射も影もない複写ができました。
反射はなく、右下にやや影が落ちていますが、まあ十分でしょう。後は画面を写真に合わせて切り抜けばよいです。


猫の顔の部分だけをトリミング。これで十分。
最後の切り抜き作業が面倒なら、撮影時にトリミングしておけばよいです。画面周辺に大切な物が写っていないなら、ほとんどの場合、画面中央や見たい部分をトリミングして写した方が見栄えがする写真になります。

撮影場所を変えたり、写真を立てかけたりするのは、それだけで面倒だったりしますが、反射や影を無くすのに特別なアプリも機材も必要ない、ということだけわかっていただければ、結構使えるテクニックになります。また、大きなポスターのような写真でも対応できます。

スマホでアルバム写真を剥がさずデータ化できる「Omoidori」

「Omoidori」
上手いネーミング。
考える人は考えるわけで、こんな製品がありました。サイトはコチラ

「Omoidori」は、三角形をした片面にiPhone(一部機種はアダプターを使って使用、機種によっては非対応もあり)をセットして、アルバム写真の上に置いて、専用アプリを使って撮影するだけで、「反射」や「影」のない綺麗な複写ができます。

詳しいことはよくわからないのですが、光の当て方を2方向、それぞれ撮影して合成することで、「反射」や「影」を取り除く仕組みのようです。三角形の底面に合うL版サイズの複写の他、2回に分けて撮影して合成することで2L版まで対応しています。Omoidori自体にLED照明が付いていますから、これ用の電池が必要です。

フエルアルバムのような透明フィルムを使っているアルバムでも、フィルムや写真を剥がさずキレイに複写できるようです。また、一枚物のプリントが波うっているような場合は、それを平面化するアタッチメント「フォトプレッサー」も別売されています。

置いて撮るだけですから、手持ちで撮影するような面倒さはありませんし、仕上がりも安定しています。これならそこそこ大量の複写もやる気になります。折り畳んで収納できるのもいい点です。難点は、iPhoneの機種やiOSに制限があることくらいでしょうか。12000円くらい。

「反射」や「影」のない複写ができるアプリ「フォトスキャン」

フォトスキャン
by Google

あと一つ。こちらは機材を使わず、アプリ内で「反射」や「影」を消してしまおう! というもの。サイトはこちら

複写したい写真をまず正面から撮影します。そうすると、画面中央に白丸アイコン「○」、その周辺に4箇所の白アイコン「●」が表示されます。画面中央の「○」を、四隅の「●」に一つ一つ重ねていきます。これらが正しく重なったときに、それぞれ写真を撮影し、合計5枚の写真を使って、反射や影のない写真を自動合成する仕組みです。この時、写真の枠で自動トリミングもできるみたい。撮影後に、角度の補正などもできます。

理屈はわかりました。

しかしねぇ・・・1枚の写真の複写を撮るだけなのに、なんで5回も撮影しなきゃならないのか・・・。というのが正直な感想です。あと、スマホの機種によっては、上手く作動しないこともありました。

最初に紹介したアナログな手作業の方が私の好みですが、これが苦手という方はこちらになりるのかな?

あと、このアプリは画像データがGoogle フォトに「無料で保存でき、ファイルは自動的に整理」されます。スマホのデータが消えても、クラウド上に残ります。この点、いいのか悪いのか・・・。

以上、写真プリントを複写するのに、スマホだけ使う方法、機材&アプリを使う方法、アプリだけを使う方法 を整理しました。いずれも、自分でやる「手間」が掛かりますので、アルバム全部、とかを複写しようとしても、多分、ほとんどの方が挫折してしまうのではないかと思います。
逆に考えれば、写真を見てどれを複写してどれを使わないか、を考えながら少量だけを複写することになります。ですから手間に見合う分、意義深い作業になるでしょう。また、できたデータはそこからさらに「選ぶ」必要がありませんから、使い勝手もよいはずです。

誰かにアルバムの特定の写真を見せたい、親のアルバムの中から数点を自分でも見られるようにしたい、という目的なら、十分役目を果たすでしょう。