11月20日、午後6時30分から開催しました。
30年近い編集者歴をもつ細川生朗さんから、そもそも「本」とはなんなのか? 読者はどのように読むのか? といった、普段気にすることのない基本中の基本から始まり、「よい写真とは?」「写真の魅力をどう引き出すか」「写真の説明やタイトルの重要さ、そしてそれはどのようにつけるか?」さらに「写真点数」の話まで、写真集制作のポイントを教えてもらいました。
インターネットのサービスではテンプレートに写真を入れていくだけで、とりあえず写真集ができてしまいますが、どの写真を選び、どのようにトリミングし、並べ方やサイズを考え、写真にそえるタイトルや説明を一つ一つ丁寧に考えることの大切さがわかりました。これら一連の作業を「編集」といいますが、目に見えにくく具体的に何かがでてきいくものではないので、一般の人にはなかなかわかりにくいのが実態です。しかし、「編集」の善し悪しによって、伝わる内容だけでなく、伝わりやすさも大きくかわる大切な作業です。
『束見本で写真集制作体験』
「編集」の大切さと流れをだいたい把握したあとで、実際に自分の写真を使って写真集の1見開きを作ってみます。大まかな流れは、次のようになります。
1)写真のセレクト
2)写真をレイアウト(アドビ・インデザインを使いました)
3)タイトルやキャプションを考えて入れる
4)束見本のサイズに合わせてプリントし、断ち落とし。
5)束見本に挟み込んで完成。
写真の選び方一つで見え方が変わり、レイアウトを変化することでも伝わる内容が変わり、言葉を付けることでさらに写真の内容まで変わって見えます。さらに、パソコンのモニタで見ているのとプリントでも印象が変わりますし、束見本に挟み込むとまさに写真集になったような気分になります。
テンプレートに「気分」で写真を入れていって、なんとなくできていく写真集とは違い、細かなことまで一つ一つ理論的とに考えながら作っていくことで、写真はまったく別の意味や価値を持っていくことが深く体験できました。
一つ一つの手順をじっくり考えながら作業をしたので、予定をオーバーして、あっと言う間の3時間半でした。写真の並べ方やトリミングを少し変えるだけでも、見栄えががらりと変わるのは、まるで魔法を見ているようです。
いずれ家族アルバムの写真を使ったワークショップを計画したいと思っています。1回ではかなりたいへんなので、数回に分けて連続ワークショップにした方がいいなぁ、と思っています。
皆さん、お疲れさまでした。